肩や手がしびれる。もしかして・・・
こんにちは。
あいあい接骨院 倉敷連島院です。
今回は、「胸郭出口症候群」について書きました。
普段、あまり耳にしたことのない言葉かもしれませんが、首や肩に痛みのある方はもしかしたら、胸郭出口症候群かもしれません。
症状や検査法、ストレッチなどについて説明していますので、これを機に胸郭出口症候群について知っていただければと思います。
胸郭出口症候群とは、腕や肩の運動や感覚に深くかかわる神経や血管が障害を受け、肩、腕、手のしびれや痛み、手の動かしにくさなどを自覚するようになる状態です。
神経や血管の主な圧迫箇所は、首にある筋肉の前斜角筋と中斜角筋と第一肋骨の間、鎖骨と第一肋骨の間、小胸筋と肋骨の間であり、その3つの狭い隙間を通るときに、神経や血管が障害されやすく症状があらわれます。それぞれの部位によって、斜角筋症候群、肋鎖症候群、過外転症候群(小胸筋症候群)と呼ばれています。
原因
なで肩の女性や上半身を鍛えている男性、重い物を運ぶなどの肉体労働をしている人がなりやすいです。また、野球やバレーボール、バドミントン、バスケットボールなどのオーバーヘッドスポーツをする人や美容師、教師などの腕をよく挙げる人にもみられます。
その他にも、猫背で頭が前に出た姿勢の人や重いリュックサックを長時間背負う人にもみられます。性差では、男性よりも女性の方が多く、思春期以降の人に多いです。
症状
つり革につかまるときや洗濯物を干すとき、髪を洗うときなどのように腕を挙げる動作で肩や腕に痛みやしびれを感じます。また、症状が強くなると手の握力が弱くなったり細かい動きがしづらくなったりする場合もあります。
初期の場合には腕を挙げた時のみに症状が出ますが、ひどくなると安静時にも症状が出ることがあります。
また、症状によって3つのタイプに分けられます。
圧迫型
腕を挙げたときに血管や神経が圧迫されて痛みやしびれがでるタイプです。洗濯物を干すときや携帯電話を寝ながら上にあげて見るときなどに症状がでることがあり、筋肉質な男性、手を挙げることが多い人にみられやすいです。
牽引型
なで肩の女性などに多くみられ、腕をおろしている時やかばんなどの重いものをもっているときに神経が引っ張られて症状がでるタイプです。頭が前に出たような姿勢不良も原因の一つとなります。
混合型
圧迫型と牽引型が混合した状態です。
検査法
2人で行う必要があるので、家族などに確認してもらうようにしてください。
アドソンテスト
座った状態で、首を後ろに倒し、症状が出ている方に顔を向け、大きく息を吸ってとめます。その際に、症状の出ている方の手首の脈が変化するかを確認してもらいます。脈が触れなくなったり、弱くなったりする場合は胸郭出口症候群の可能性があります。
ライトテスト
座った状態で、痛みのある方の腕を上にあげ、肩と肘を90度になるようにします。その際に、手首の脈が変化するかを確認してもらいます。脈が触れなくなったり、弱くなったりする場合は胸郭出口症候群、特に過外転症候群の可能性があります。
エデンテスト
座った状態で、胸を張るように両腕を後ろに引きます。その際に、症状の出ている方の手首の脈が変化するかを確認してもらいます。脈が触れなくなったり、弱くなったりする場合は胸郭出口症候群、特に肋鎖症候群の可能性があります。
ルーステスト
1人で行うことができるテストです。
座った状態で、両腕をあげ肩と肘を90度になるようにします。その姿勢を維持した状態で、手を握って開くという動作を3分間繰り返します。腕の痛みやしびれなどで運動が継続できない場合は胸郭出口症候群の可能性があります。
これらの検査法は万能なものではなく、他のことが原因で生じている腕の痛みやしびれでも同様の結果がでることがあるので、注意が必要です。
対処法
腕を上にあげる動作や重い物を持ち上げること、重いリュックサックなどを担ぐことは避けるようにしてください。また、普段の姿勢や日常生活動作の改善、首や背中の背骨の可動域をあげることや肩まわりの筋肉のストレッチやトレーニングを行うことも有効的です。
痛みの度合いや原因によって行った方が良いストレッチは違います。
ここでは、日常生活活動の中で痛みがでる方にむけたストレッチの一部をご紹介します。
弓引き運動
回数:10回×3セット
目的:背骨の動きをよくする
1.横向きに寝た状態で片膝を曲げて床につけ、両手は前方に伸ばします。
2.弓を引くように上半身を捻ります。
3.ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
注意点
・床から膝が離れないように注意しましょう。膝が床から離れるということは、骨盤もつられて回旋しているということです。浮いてしまう場合は、初めから膝の下にタオルなどを置いて高さを出すようにしてください。
・肘をしっかり引くことを意識して行ってください。
・呼吸は、胸を開く時に息を吸うようにしましょう。そうすることで、より胸郭の動きをだすことができます。
斜角筋のストレッチ
回数:10秒×3セット
目的:首の前面の筋肉を柔らかくする
手を腰に回します。
首を斜め後ろに反らせます。首の前面が伸びている状態を保ちます。
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元の姿勢に戻ります。これを繰り返し行いましょう。
注意点・首を倒す際に、鎖骨を挙がらないようにしっかり固定しましょう。
・痛みのない範囲で行ってください。
治療法
首や肩まわりの原因となっている筋肉を施術で緩め、さらに、ズレや歪みを矯正し、正しい姿勢に戻していくことで身体の負担を減らしていきます。
斜角筋で圧迫されて症状が出ている場合が多いのですが、斜角筋だけを施術してもあまり効果は望めません。
斜角筋が緊張している原因に対しても施術をする必要があり、原因としては、背骨・骨盤・肩甲骨の位置異常といったことがあげられます。
人間の身体は関節が連動して動いており、一見症状が出ている鎖骨や首付近だけが悪いと思われがちですが、実際には鎖骨や首だけでなく連動している肩甲骨や背骨全体も影響しています。
当院では、痛みのあるところだけでなく、痛みに関わる原因に対しても根本的に治療していくトータルバランス療法を行っております。まず、問診と身体全体の検査を行います。
そこで不調をきたしている原因を洗い出し患者様の意見を交え、治療計画を一緒に立て、施術に入ります。
また、必要なストレッチやトレーニングについてもアドバイスを行います。来院された際にお伝えした内容をご自宅でも実施できるように、ストレッチ動画をLINEでお送りしています。あとは、施術と並行して、日々の負担のかかる動作や症状を悪化させる習慣をいかに改善し、減らせるかが大切になります。
首や肩の痛みで悩んでいる方はもちろん、その他にもお身体のことでお困りのことがありましたら、あいあい接骨院 倉敷連島院までぜひ一度ご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
元の姿勢に戻ります。これを繰り返し行いましょう。元の姿勢に戻ります。これを繰り返し行いましょう。