- 足の痛み
足関節の構造と痛み
こんにちは。あいあい整骨院です。
今回は足首の構造と痛みについて紹介していきます。
最初に足首の構造と動きについて解説します。
この記事でわかること
構造
足関節は下腿骨からなる脛骨、腓骨
足根骨の距骨、踵骨、舟状骨、立方骨、中間楔状骨、外側楔状骨
中足骨の母指側から第1~第5中足骨
趾(指)骨の母趾は基節骨と末節骨、他の4趾は基節骨、中節骨、末節骨
足は7つの足根骨、5つの中足骨、14の指骨の合計26個の骨からなります。
距腿関節
脛骨下関節面と内果、腓骨外果の関節窩、距骨上面の関節頭を構成します。
内側には内側(三角)靭帯(前脛距部、脛舟部、脛踵部、後脛距部)からなり、外側には前距腓靭帯、後距腓靭帯、踵腓靭帯があります。
距腿関節は背屈、底屈が可能で底屈位では関節の遊びが生じてわずかに内転、外転運動が可能です。背屈位では関節窩が関節頭を固く挟み込むために内転、外転運動は不可能です。
距骨下関節
距骨下面と踵骨上前面のあいだの関節で、距骨、踵骨の前、中、後関節面の3つの部分で接合する顆状関節であります。靭帯は足根洞内部にある骨間距踵靭帯、内側距踵靭帯、外側距踵靭帯があります。
距骨下関節は内転、外転運動と内がえしと外がえし運動が可能であります。内がえしは回外、内転、底屈、外がえしは回内、外転、背屈の複合した運動になります。横揺れ、方向転換、縦揺れに類似しています。
横足根関節(ショパール関節)
外側の踵立方関節、内側の距舟関節の2つからなります。
靭帯は、背側の距舟靭帯、二分靭帯(合わせて背側足根靭帯)、底側の長足底靭帯、踵立方靭帯、踵舟靭帯(合わせて底側足根靭帯)があります。
横足根関節を形成する距舟関節は前方に凸で、踵立方関節は凹となり、全体でS字状になり、底屈、背屈、内転、外転、内がえし、外がえしが可能であり、可動範囲はちいさいです。
足の縦アーチを形成します。
足根中足関節(リスフラン関節)
内側楔状骨と第1中足骨、中間楔状骨と第2中足骨、外側楔状骨と第3中足骨、立方骨と第4・5中足骨とのあいだにある関節をいいます。
靭帯は背側、底側および骨間足根中足靭帯があり、この関節はすべり運動が主になり、底屈、背屈、内転、外転が可能です。
中足間関節
中足骨相互の半関節で底側、背側および骨間中足靭帯があります。足の横アーチが形成される部位です。
中足趾(指)節関節
中足骨と足趾(指)基節骨のあいだの関節で内側側副靭帯、外側側副靭帯、底側側副靭帯、深横中足靭帯が補強します。
足の趾(指)節間関節
PIP関節、DIP関節があり、内側側副靭帯、外側側副靭帯で補強される靭帯で関節が屈曲と伸展が可能です。
足関節の損傷
ショパール関節脱臼
特徴
きわめてまれな脱臼で、多くは不全脱臼になり、骨折を合併します。
発生機序
交通事故(自転車事故、バイク事故)、高所からの転落事故の場合に発生します。
足を強く挟まれて内側にねじられると、つま先が不自然に足の裏を向いて内がえしが加わることで起きます。
ほとんどの場合、他の足根骨、中足骨の骨折を合併します。
症状として跛行や足根関節周囲の痛み、軟部組織の腫れ、関節の不安定性が認められます。
足根中足関節(リスフラン関節)脱臼
リスフラン関節脱臼には全中足骨が脱臼するものと個々の中足骨が脱臼するものとあるがいずれもまれであります。
脱臼には第2中足骨基部をはじめ、さまざまな骨折を伴うのが多いです。
発生機序
足部を屈曲(底屈)位で中足骨を強打し、前足部に回旋力が働き、足根骨に対して中足骨が脱臼します。
分類
外側脱臼、内側脱臼、底側脱臼、背側脱臼、分散脱臼
外側脱臼
足尖が外転し、足内側縁には第1楔状骨が突出、足外側縁には第5中足骨基部が突出します。
内側脱臼
足内側縁に第1中足骨が突出し、足外側縁は陥凹します。
背側脱臼
前足部は短くみえ、軽度の尖足位変形をとり、指は伸筋緊張のため伸展(背屈)位をとります。
足関節 足部の捻挫
足関節の捻挫は日常的にみられる外傷の一つで、スポーツによる急性外傷としては最も頻度が高く、重症度の高い障害ですが、軽視され慢性化する場合が多いので注意が必要です。
重症原因
足関節は内がえしすることで発生します。滑ったり、足の上に乗ったりすると、急激な内反が矯正され外側側副靭帯の損傷になることもあります。外側側副靭帯は3つに区分されます。前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯があり、最も多く断裂するのは前距腓靭帯になります。
損傷と程度による分類
第Ⅰ度
靭帯線維の微小損傷であり、疼痛、腫脹も少なく、圧痛、機能障害も軽く、不安定性は認められません。
第Ⅱ度
靭帯の部分断裂であり、不安定性が軽度から中速度にみられ、機能障害も認められます。
第Ⅲ度
靭帯の完全断裂であり、関節の不安定性が著明にみられ、機能障害も高度であります。
治療法
初期には損傷度の軽重に関係なく、RICE処置(Rest安静、Icing冷却、Compression圧迫、Elevation挙上)の原則の処置に従い冷罨法を行い、外果部を圧迫し包帯で固定します。
損傷程度によってテーピングで固定することもあります。
固定除去後は関節拘縮防止のため、足関節の伸展(背屈)屈曲(底屈)の自動運動を指導し、長腓骨筋、短腓骨筋、第3腓骨筋の強化によって外がえし運動の回復を図ります。スポーツ選手は再発防止のため、受賞後3~6か月間、サポーターまたはテーピング固定をしてスポーツを行います。
ショパール関節損傷
ショパール関節は距舟関節と踵立方関節のからなる複合関節です。ショパール関節は強靭な靭帯によって補強されて、関節の可動域も小さく、一般的に損傷を受けることは少ないです。一般的にはショパール関節損傷は二部靭帯の損傷として扱われます。
リスフラン関節損傷
リスフラン関節は楔状骨、立方骨、中足骨とのあいだに存在する複合関節で、足根中足関節とも呼ばれ、前足部に捻転力などの外力が加わった際に発生します。
扁平足障害
足には内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチの三つが存在します。内側縦アーチが低下したものを偏平足といいます。
小児期偏平足
症状
歩き始めの時期に、足の裏が平べったいことに気づきます。立って体重をかけたときには土踏まずはなくなっていますが、体重をかけない状態では土踏まづが出来ますが足の痛みを伴うことはありません。
原因
幼児期の偏平足では関節のまわりの靭帯、筋、骨など発育が未熟なため靭帯がゆるみ、踵が外を向いてアーチがつぶれるようになります。先天的な病気が原因のこともあるため、変形の程度が強い場合は病院に受診することがおすすめです。
治療法
ほとんどの場合、成長に伴って自然にアーチが形成されるので、裸足の生活を心がけ、足の指を使うことで足の裏の筋肉を鍛えます。
思春期偏平足
症状
歩くときに足の痛みを訴えるようになり、足の変形が固まり、アキレス腱も少し短縮していきます。
原因
運動、長時間の立位をとることで、足の内側に痛みがでて、周囲の筋のスパスムス(一種の痙攣のようなもの)をおこし、痙直性偏平足を起こします。
運動などの負荷が多いことが主な原因になります。
治療法
アキレス腱や足底腱膜のストレッチを行い、靴屋インソールを工夫することで痛みが軽減します。手術の対象になることもあり、足根骨癒合症を合併することがあります。
成人期偏平足
症状
中年以降に発症する偏平足では内側のくるぶしの下が腫れ、痛みが生じます。初期には足の扁平化は目立ちませんが、しだいに変形が進みます。つま先立ちがしにくくなり、進行すれば足が硬くなって歩行が障害されます。
原因
加齢による筋力低下、肥満による体重増加が原因となりアーチの低下が生じます。
アーチをつり上げる働きをする後脛骨筋の腱が通っています。年齢による腱の変性や体重の負荷によって、腱が断裂すればアーチは低下します。
成人期の偏平足は女性に多く発生します。
治療法
足指の筋肉はアーチを支えるのに重要で、鍛えるためには裸足での生活を心がけ、足指を使うようにします。予防には適正体重を保つことが大切で、アキレス腱が硬くなっているので、ストレッチが必要になります(後脛骨筋を鍛えるストレッチ)。
今回は足関節の構造と痛みについて書きました。
ケガや不調の痛みに対してもあいあい整骨院は対応いたします。
お困りの際にはお気軽にご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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